以前、SupermicroのIPMIカードのHTC版(AOC-SIMSO-HTC)についての記事を 掲載しましたが、今回はHTC版ではないIPMIカードについて、 実際に使用してみて使い勝手などを調べてみました。 今回使用したハードウェアは、マザーボードは前回と同様のSupermicro X7SBi、IPMIカードはAOC-SIMSOです。

HTC版との違い

SIMSO-HTCでは、サーバーのマザーボードの1番目のLANポートを利用して通信していました。 SIMSOでは、二つの利用方法があります。 一つめの方法はSIMSO-HTCと同様にマザーボードのLANポートを利用して通信する方法です。 この方法では、HTC版と同様にGNU FreeIPMIなどを利用してサーバーの遠隔操作を することができます。

二つめの利用方法は、専用のLANポートを別に用意しそこから通信する方法です。 この方法を用いると、一つめの方法と同様にFreeIPMIなどが利用できることに加えて、 Webベースで、ブラウザからサーバーの遠隔操作をする機能を利用することもできます。

専用のLANポートを利用する方法

リセットとIP/MACアドレスの設定

(1)IPMIカードの接続

マニュアルの手順にしたがい、IPMIカードをマザーボードのソケットに挿入します。 専用LANポートとIPMIカードは事前にUSBケーブルで接続しておきます。

(2)設定ツールの用意

初めに、IPMIカードにIPアドレスとMACアドレスを設定する必要があります。 設定するにはipmicfgというプログラムを利用します。このプログラムは ドライバCDの'/IPMI_Solution/Utility/IPMICFG'の中に入っています。 必要に応じてこれをサーバーにコピーしてください。

(3)設定リセット

設定をする前に、設定をリセットしておいたほうがいいかもしれません。 リセットしないと、以前の設定の影響でうまく動作しないことがあるようです。

$ ipmicfg -fd    # (工場出荷時の設定に初期化する)

初期化を実行した後しばらくはカードの再起動のために2、3分待ちます。

(4)アドレスの設定

IPアドレスとMACアドレスを設定します。

専用LANポートを利用する場合、MACアドレスはIPMIカードのアドレス (IPMIカード自体にMACアドレスが書かれたシールが貼られています)に設定します。

$ ipmicfg -m (設定するIPアドレス)
$ ipmicfg -a (設定するMACアドレス)

-mオプションをパラメータなしで実行すると設定を確認することが出来ます。

$ ipmicfg -m
IP=192.168.20.112 MAC=XX:XX:XX:XX:XX:XX

(5)IPMIカードのリセット

アドレスの設定をしたら、カードのリセットをします。 コールドリセット(ipmicfg -r)でもいいのですが、電源を遮断してリセットしたほうが安定して動くようです。 従って、サーバーの電源を落としてから電源ケーブルを抜き、完全に電源を切ります。

その後、しばらく待ってから電源ケーブルを接続します。 IPMIカードに電源が投入され、2、3分でIPMIカードが起動します。 この段階でIPMIカードが利用できるようになります。 ipmipingなどで動作確認をすることができます。

$ ipmiping (IPMIカードのIPアドレス)
ipmiping 192.168.20.112 (192.168.20.112)
response received from 192.168.20.112: rq_seq=14
response received from 192.168.20.112: rq_seq=15

Webインターフェイスの利用方法

専用ポートのLANポートを使っている場合、IPMIカードのWebインターフェイスを利用することが出来ます。

Webを利用するには、まずWebブラウザのアドレスバーに IPMIカードのアドレス(ここではhttp://192.168.20.112)を入力し、IPMIカードのログイン画面を表示させます。

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ここに、ユーザー名とパスワード(デフォルトでは両方共'ADMIN')を 入力するとIPMIカードから操作をすることが出来るページに入ることが出来ます。

電源管理

Webページの「Remote Control」内にある「Remote Power」というリンクを クリックすると、下図のようなページが表示されます。 このそれぞれのボタンをクリックすると電源の操作をすることが出来ます。

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シリアルコンソール

先ほどの「Remote Control」の中の「SOL Console」というリンクをクリックすると、 シリアルコンソールを利用することが出来ます。 このシリアルコンソールの機能はJavaアプレットとして実装されているため、 クライアント側にはJavaアプレットを実行できる環境が必要になります。

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ファームウェアの更新

ファームウェアが古い場合は、Supermicroのホームページで公開されている ドライバのページから、ファームウェアをダウンロードして 更新することが出来ます。ファームウェアの更新には、 Webのインターフェイスから行うことができます。

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FreeIPMIからの利用方法

Webのインターフェイスだけでなく、FreeIPMIからも利用することが出来ます。HTC版のものと同じ方法で利用することが出来ます。

・電源の状態確認
$ ipmipower -h (IPMIカードのIPアドレス) -u (ユーザーID) -p (パスワード) --stat

・電源の操作
# 電源ON
$ ipmipower -h (IPMIカードのIPアドレス) -u (ユーザーID) -p (パスワード) --on
# 電源OFF
$ ipmipower -h (IPMIカードのIPアドレス) -u (ユーザーID) -p (パスワード) --off
# 再起動
$ ipmipower -h (IPMIカードのIPアドレス) -u (ユーザーID) -p (パスワード) --reset

・シリアルコンソール(SoL)
$ ipmiconsole -h (IPMIカードのIPアドレス) -u (ユーザーID) -p (パスワード)

ipmiconsoleが文字化けしてしまう場合

ipmiconsoleを使用すると半角アルファベット等を含めてすべての文字が 文字化けしてしまい、利用できない状態になることがあります。

なんらかの原因でIPMIカードのSoLのボーレートの設定が変わってしまい、このように文字化けしてしまう事があるようです。FreeIPMIのipmiconsoleではボーレートの設定を送信しないので、この状態になるとFreeIPMIだけでは修正できません。 そうなった場合はSupermicroのツール(IPMIView等)か、Webのシリアルコンソールを使用して設定を合わせるとうまく動くようになるようです。

IPMIViewの場合「TextConsole」ページの下部、Webのシリアルコンソールの場合「SOL Console」ページの上部に「Baud Rate(bps)」と書かれた欄があるので、そこをBIOSの「Console Redirection」の「Baud Rate」欄と同じ数値にします。 その後、「Start」ボタンを押して接続します。そうすることで、IPMIカードにBaud Rateが正しく設定され、 うまく操作できるようになるようです。

一旦Baud Rateが正しく設定されれば以降はFreeIPMIのみでも接続できるようになるようです。

マザーボードのLANポートを利用する方法

リセットとIP/MACアドレスの設定

(1)IPMIカードの接続

マニュアルの手順にしたがい、IPMIカードをマザーボードのソケットに挿入します。 このとき、IPMIカードと専用LANポートを接続するUSBケーブルは外しておきます。

(2)設定ツールの用意、(3)設定リセット

ここの手順は専用LANポートの時と同じです。 ドライバCDからipmicfgをコピーし、工場出荷時の状態にリセット(ipmicfg -fd)します。

(4)アドレスの設定

マザーボードのLANポートを利用する場合はDHCP機能は無効にし、MACアドレスは 一番目のLANポートと同じアドレスに設定します。

$ ipmicfg -dhcp off
$ ipmicfg -m (設定するIPアドレス)
$ ipmicfg -a (設定するMACアドレス)

(5)IPMIカードのリセット

ここの手順も専用LANポートの時と同一です。 サーバーの電源を落とし、電源ケーブルを抜き完全に電源を切った状態にしてから、もう一度電源をいれます。

利用方法

マザーボードのLANポートを利用する場合、Webのインターフェイスは利用できないようです。 従って、FreeIPMIを使ってコンピュータの操作をすることになります。

利用方法は専用LANポート使用時と同じです。ipmiconsoleが文字化けしてしまう対処も同じように、 ボーレートを設定する方法で直るようです。

まとめ

マザーボードのLANポートを利用する方法では、HTC版とほとんど変わりはないようです。

専用ポートを利用する場合は、電源などの遠隔操作をWebベースでできるので、 たとえばfreeipmiなどのツールが利用できない環境のクライアントから操作したい場合や、 CLIベースのツールに慣れていない人が利用する場合に活用することが出来るかもしれません。 また物理的に別のLANポートを利用できるので、セキュリティの管理もよりやりやすくなるかもしれません。