前回の記事では、Supermicro X7DVLiとIntel Xeon L5420(2.5GHz Quad Core)のデュアルプロセッサ構成でのベンチマークと消費電力をしました。 今回はそれと同一のマシンに、3ware 9690SA-4Iを追加し、HDDを2台から4台に追加した状態での消費電流を計測しました。
評価環境
RAIDカードが追加されている事を除いて、実験環境・評価方法ともに前回と同一です。
機器の構成
CPU | Intel Xeon L5420 × 2 |
M/B | X7DVLi |
MEM | DDR2 667 FBDIMM 4GB × 4 |
HDD | Barracuda ES2 500GB × 4 |
RAID | 3ware 9690SA-4I |
ソフトウェアの環境
# uname -a Linux lenny64 2.6.30-64net01 #7 SMP Sat Jul 4 04:30:47 JST 2009 x86_64 GNU/Linux
# gcc -v Using built-in specs. Target: x86_64-linux-gnu Configured with: ../src/configure -v --with-pkgversion='Debian 4.3.2-1.1' --with-bugurl=file:///usr/share/doc/gcc-4.3/README.Bugs --enable-languages= c,c++,fortran,objc,obj-c++ --prefix=/usr --enable-shared --with-system-zlib --libexecdir=/usr/lib --without-included-gettext --enable-threads=posix --enable-nls --with-gxx-include-dir=/usr/include/c++/4.3 --program-suffix=-4.3 --enable-clocale=gnu --enable-libstdcxx-debug --enable-objc-gc --enable-mpfr --enable-cld --enable-checking=release --build=x86_64-linux-gnu --host=x86_64-linux-gnu --target=x86_64-linux-gnu Thread model: posix gcc version 4.3.2 (Debian 4.3.2-1.1)
評価方法
- サーバーをネットワークブートし、ディスクレスで起動
- wgetでlinuxのカーネルソース(linux-2.6.20)をダウンロードする
- linuxのカーネルソースをtmpfs上に展開する
- 展開したカーネルソースディレクトリに移動し、make menuconfigを実行、なにもせずに終了し.configを作成
- 「make -jn」で、nの数値(同時に実行できるジョブ数)を変えながら、コンパイルを実行させたときの消費電力や時間などを測定する
測定結果
処理時間
次の表は、カーネルのコンパイルにかかった時間と、CPUの使用率を表したものです。CPUの使用率は、 「(ユーザー時間+カーネル時間)/実際にかかった時間」を計算したものです。
コマンド | 時間 | CPU使用率 |
---|---|---|
24 | 0m38.875s | 6.677 |
16 | 0m36.323s | 7.003 |
12 | 0m37.066s | 6.787 |
8 | 0m40.064s | 6.189 |
7 | 0m42.471s | 5.804 |
6 | 0m45.070s | 5.435 |
5 | 0m51.984s | 4.659 |
4 | 1m1.607s | 3.875 |
3 | 1m19.591s | 2.967 |
2 | 1m56.909s | 2.008 |
1 | 3m49.115s | 1.02 |
コンパイル時にHDDは使用していないので、前回と性能は変化していません。
消費電力
以下のグラフは、カーネルコンパイル中の消費電力を示したものです。
CPUアイドル時の消費電流は1.90(A)、ピーク時は2.61(A)でした。
前回の構成(HDD2台)と比較すると、今回の構成(HDD4台+3ware 9690SA-4I)ではアイドル時・ピーク時ともに0.3(A)ほど上昇するという結果になりました。