AMD Opteron 1210 HEについて、Xeonと同様に消費電力とパフォーマンスについて 調べてみました。
環境
- A+ Server 1011S-MR2(ベアボーン)
- AMD Opteron 1210 HE
- メモリ 4GB
- Linux kernel 2.6.26
- gcc -v
Using built-in specs.
Target: i486-linux-gnu
Configured with: ../src/configure -v --enable-languages=c,c++,fortran,objc,
obj-c++,treelang --prefix=/usr --enable-shared --with-system-zlib --libexec
dir=/usr/lib --without-included-gettext --enable-threads=posix --enable-nls
--program-suffix=-4.1 --enable-__cxa_atexit --enable-clocale=gnu --enable-
libstdcxx-debug --enable-mpfr --with-tune=i686 --enable-checking=release i4
86-linux-gnu
Thread model: posix
gcc version 4.1.2 20061115 (prerelease) (Debian 4.1.1-21)
評価方法
次のような方法で評価を行いました。
- サーバーをネットワークブートし、ディスクレスで起動
- wgetでlinuxのカーネルソース(linux-2.6.20)をダウンロードする
- linuxのカーネルソースをtmpfs上に展開する
- 展開したカーネルソースディレクトリに移動し、make menuconfigを実行、終了し.configを作成する。カーネルオプションの変更はなし
- 「make -jn」で、nの数値(同時に実行できるジョブ数)を変えながら、コンパイルを実行させたときの消費電力や時間などを測定する
測定結果
処理時間
次の表は、コンパイル一回にかかる時間と、そのときのCPU使用率を示したものです。 CPUの使用率は、「(ユーザー時間+カーネル時間)/実際にかかった時間」を計算したものです。
コマンド | かかった時間 | 使用率 |
---|---|---|
make -j1 | 6m51.193s | 1.009 |
make -j2 | 3m39.421s | 1.881 |
make -j3 | 3m32.166s | 1.960 |
make -j4 | 3m33.135s | 1.961 |
make -j6 | 3m34.037s | 1.965 |
make -j8 | 3m34.302s | 1.972 |
Opteron 1210 HEはコアが2つなので、同時実行数が1よりも複数(2以上)になったときのほうが、処理時間が短くなっています。 逆にそれ以上になると差はほとんどありません。
消費電力
次のグラフは、それぞれのコンパイルでの消費電流を表したものです。 横軸はコンパイル開始からの経過時間です。
CPUアイドル時の消費電流は0.73(A) コンパイル時のピーク電流は、n≧2のとき約1.05(A)であることが分かります。 その差は0.32(A)です。
ピーク電流は、同時実行数がひとつの時と、複数の時で0.11(A)ほど差が出ています。
まとめ
今までのXeon 3070等と比較すると、スペックが低いこともあって、処理性能はあまり出ませんでしたが、 消費電力はかなり低くなっています。